「プラグマティズムと哲学の実践」シュスターマン

プラグマティズムと哲学の実践

プラグマティズムと哲学の実践

ユダヤ系米国人の哲学者が、ヴィトゲンシュタインフーコー、デューイらを「生命の哲学」として読んでいくという野心作。英語の副タイトルにはThe Philosophical Lifeとあり、私のいう「生命の哲学」と同じものを指向していると言ってよいだろう。著者は、アカデミズムによる知のゲームと化している現代哲学ではなくて、実際に哲学者によって生きられる哲学実践というものの復権を訴えているように思える。ここにも見られるように、ヴィトゲンシュタインを、生命の哲学者として見ていくというのが今後の潮流となるだろう。著者によるまえがきでは、東アジアと日本の哲学にも触れており、この路線での東西の哲学の対話というのはこれから有意義であると思う。たまたま書店で手に取ったものであるが、まださほど話題ににもなっていないようなので、このエントリーを書いてみた。ただ定価は高いかもしれない。