永山則夫

【人と思考の軌跡】永山則夫---ある表現者の使命 (河出ブックス)

【人と思考の軌跡】永山則夫---ある表現者の使命 (河出ブックス)

永山則夫の文学に焦点を当てた評論。第4章、永山と寺山修司の愛憎の箇所は興味深い。「寺山がすでに1960年代初頭におそらくは虚構として記していたことを、永山が1960年代後半に現実においてなぞることになった」(136頁)という理解は衝撃的だがほんとうにそれでいいのだろうか。さらなる考察が期待される。

ちょっと前に、NHK再放送で、永山についてのドキュメンタリーをやっていた。獄中の永山と交際していた女性のカメラの前でのはじめての独白は非常に印象的で、感動的であった。