熊野純彦批判??

先週、ある特殊な書店の特殊な棚を見ていたら、黒田寛一『〈異〉の解釈学―熊野純彦批判』という新刊が出ていた。平積みで置いてあったので、中身をパラパラ見てみたが、なんじゃこりゃ??という内容。黒田ファンが買うんだろうか。熊野ファンが買うとも思えんが。

“異”の解釈学―熊野純彦批判

“異”の解釈学―熊野純彦批判

黒田寛一とは、革マル派の最高指導者だった人で、2006年に死去。熊野純彦東京大学教授で、レヴィナスの翻訳や研究でコアなファンが多い(と思う)。というか、熊野さんは大学時代の私の同級生。倫理学教室で私が異端の道を突っ走ったとすれば、彼は正統派の道を駆け上り、哲学文献研究では右に出るものあまりいないところまで行ったのではないだろうか。若いころから廣松渉に将来を嘱望され、まわりから嫉妬されていたですな。この、廣松というあたりで、黒田が絡んできてるらしいのが上記の本。しかし、熊野純彦批判とは何ぞや? このあたりのことは業界事情に詳しい人しか分からないかもしれないので、このくらいにしておきます。

そういえば、廣松さんはとてもマメな人で、晩年は、自分の弟子や、その周辺や、関係ない人のことまでよく目配りをして、自分の本の註とかに1行ずつ言及してくれておりました。私のことも、『存在と意味』のどっかの註に一言だけ触れてくださっていますよ。