M/死刑

私は死刑反対論である。(それについては論文中でも触れたから気になる人は読んでみてほしい)。

Mが死刑執行された。ある判断がなされ、ある事実が生起した。Mとはなんの面識もないが、Mにまつわるもろもろの情報や、それに対する非難・弁護などの声が、当時の私の精神形成に多大な影響を及ぼしたことは間違いない。端的に言って、Mの内面世界は理解しがたい。だが、Mの死刑執行の報を聞いて、私の胸に去来するのは、不思議な喪失感である。もうこの世には生きてないのだなという、空洞の気持ちだ。この妄想のような思い入れを分かってくれる人が多いとは思わないが、とりあえず書き記しておく。