児童性奴隷・児童強制労働

さきほどBBC国際テレビで、アジアの児童強制労働についてのドキュメンタリーをやっていた。見たが、かなりめげた。ひとつはカンボジアでの児童性奴隷について。だまされて売られてきた子どもたちは、一室に閉じこめられ、誰も助けてくれない絶望の中で客を取るように強制させられる。警察とNPOが踏み込んだときのビデオが流されていたが、ほんとうに子どもたちが閉じこめられている。しかし摘発されても、売春宿を経営している人間と警察のあいだにコネがあり、裁判にはならないで終わる。カンボジア郊外には、働かされていた女の子たちのリハビリ施設がある。そこで回復した17歳の女性が顔を出してインタビューに答えていた。その施設に住んでいる女の子たちの年齢は、おそるべく若い。日本で言うと小学生低学年くらいがけっこういる。その子たちは、HIVや肺炎に冒されている。ここで心が回復したとしても、遠からず命は奪われると説明されていた。

インドでは男の子たちが屋根裏の一室に閉じこめられて、サリーの縫製の強制労働をさせられている。隠しカメラの映像のあと、警察と運動家が乗り込んで子どもたちを解放する。解放された男の子たちは、最初は何の表情もない。しかし保護されて、遊んでいるうちに、彼らは笑顔を取り戻す。彼らは政府の方針で、強制労働中の報酬に当たる額を支給されて、故郷の親の元に戻る。カメラは彼らと一緒に汽車に乗って、里帰りに同行する。故郷に帰って親と再会した子どもたちは、しかし必ずしも歓迎されるわけではない。親が同行の役人に「私たちは貧しいのです」と訴える。ある子の親は、我が子が帰ってきたことで絶望の淵に沈んであたりかまわず嗚咽する。

子どもたちを迎え希望を与える結末は保証されない。衝撃である。