粉を振りかけたら指が生えてきた信じられない事例

今日、驚くべきニュースをBBCで観たので、報告したい。BBCによれば、米国で指先より1センチ半(1/2インチ)を事故で完全に切り落とした69歳の男性が、ピッツバーグ大学で開発中の「粉」を指の切断面に振りかけたら、2回目から指が生えてきて、4週間で爪や指紋など含め完全に指が再生したとのことだ。以前のように動くし、感覚もあるとのこと。

"I put my finger in," Mr Spievak says, pointing towards the propeller of a model airplane, "and that's when I sliced my finger off." It took the end right off, down to the bone, about half an inch.

"We don't know where the piece went."

The photos of his severed finger tip are pretty graphic. You can understand why doctors said he'd lost it for good.

Today though, you wouldn't know it. Mr Spievak, who is 69 years old, shows off his finger, and it's all there, tissue, nerves, nail, skin, even his finger print.

動画の一部はBBCサイトで見られる。指切断面も映っているので注意。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7354458.stm

この「粉」は、豚の膀胱を粉末にしたものらしい。この粉が引き金になって、体内の幹細胞が活性化したのではないかと推測されているが、詳しい機序はわかっていないらしい。

これに目をつけたのが米軍で、負傷兵士の脚を再生させたりする治療に使えないかと共同研究を始めているとのこと。ニューロサイエンスの場合でもそうだが、米軍というのは、こういう技術にはほんとに敏感だ。

しかし、魔法の粉を振りかけて4週間で指が生えてくるとは・・・。同じニュースは、米CBSでも動画で見ることができる。

http://www.cbsnews.com/stories/2008/03/22/sunday/main3960219.shtml

この再生医療が本格的に使えるようになったら、これはすごいことになるのではないだろうか。治療だけではなく、お肌の美容(肌の完全再生)にも応用されるかもしれない。

しかしピッツバーグ大学というのは、世界一の脳死移植件数を誇るところだし、移植におけるピッツバーグプロトコルのように、技術開発のためにはなんでもやるところだから、こういう研究が出てきたのかもしれない。

日本のメディアは、どういうふうな報道になっているのだろうか。

映像に出てくる写真がすごいから、指がにょきっと生えてきたという印象が強いが、そもそも指先は人間であっても再生しやすい場所だとしたら、このケースの注目点はその再生の速さと復元性にあると言えるのかもしれない。このあたりは再生医学に詳しい方の意見を待ちたい。