「博士の異常な愛情」は「天国と地獄」のパクリだった!?
連休ということで、ひさびさにDVDを借りてきて鑑賞。まず見たのは黒澤明の『天国と地獄』(1963年)。
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誘拐犯と警察の息詰まる攻防を描いた娯楽大作として有名だが、まだ見ていなかったので観てみた。吉展ちゃん誘拐事件の犯人も観ていたということだが、なかなか楽しめる作品だと思う。終わり方がなかなか異様。(以下、ネタばれ)。ところで、このラストシーンで、獄中の犯人が面会室で迫真の独演をするのだが、なんとそれはキューブリックの『博士の異常な愛情』(ドクター・ストレンジラブ)のラストシーンとそっくりではないか。「天国と地獄」では、犯人の左手が突然意志に反して言うことを聞かなくなり、それを右手で止めようとして狂い始め、最後は突如「わーっ」と叫んで立ち上がって、ジエンドとなる。「ストレンジラブ」のほうも、博士の右手が勝手に動き始めて、左手でそれを止めようとして、最後は、車椅子から突如立ち上がって「Mein Fuhrer! I can WALK」でジエンド。あまりにも似すぎている。
ネットで調べてみたが、この点についてはあまり書かれてないみたいだ。そこで「天国と地獄」の公開日を調べてみたら、日本公開は1963年3月で、同年11月に米国で英語版が公開されている。そして「博士の異常な愛情」のほうは、翌年1月米国公開である。影響関係は微妙なところだが、超映画マニア(NYで公開される映画は全部見るとか)のキューブリックのことだし、米国一般公開まえから黒沢の映画は日本版で観ていたかもしれない。直前の「用心棒」などは米国で大受けしたらしいし。パイ投げシーンの直前カットも、「天国と地獄」のラストシーンの影響かも。まあ、いずれにしても、両監督とももう亡くなってしまったし、推測して楽しむだけですね。
しかし、よく似ているなあ・・・・。
博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか [DVD]
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↑この右手の暴走を押さえているのがドクター・ストレンジラブ。