「現象学的な心:心の哲学と認知科学入門」ギャラガー・ザハヴィ

現象学的な心: 心の哲学と認知科学入門

現象学的な心: 心の哲学と認知科学入門

近年注目を浴びている、現象学の新しい展開を総まとめにして検討した本。現象学というとフッサールと、フッサール学派、その後のメルロポンティ、社会学のシュッツなどでだいたい終わったというように思われているのかもしれないが、この本に見られるように、現象学実験心理学認知科学脳科学が融合して新しい領域を作り出しているようである。現象学からの分析哲学への接近とも言える。自己意識、時間、志向性、他我問題などがこういう形で議論され続けているのは興味深い。ただし何かの画期的新展開があるのかどうかという点はどうなのだろうか。少々お高いが、興味ある方は持っていていい本かと思われる。