「個人美術館の愉しみ」赤瀬川原平

個人美術館の愉しみ (光文社新書)

個人美術館の愉しみ (光文社新書)

日本にある個人美術館45館を実際に訪ねて、蘊蓄をかたむけた書物。日本にこんなにたくさん個人美術館があるのかというのにも驚いたし、こんなにたくさんの世界の名画があるのかというのにも驚いた。個人美術館とは、誰か1個人のアーチストの作品だけ(を中心に)蒐集しているものか、あるいは、誰か1個人が誰かの金で系統的にいろんな作品を蒐集をしたもの、のいずれからしい。

日本中に散らばっているので、旅行の時にはこの本を見て、あらかじめ美術館をチェックしておきたい気になる。地方の美術館は、基本的に客が少なくて、じっくりと見れるし、時間の流れをぜいたくに味わえるし、建物自体をも味わえる(とくに外光の処理など)から、私は好きである。左右を見渡しても、自分しか絵の前にいないとか最高である。美術好きにはよい本である。