「自然を愛する」とはどういうことか

大阪自然環境保全協会主催、現代生命哲学研究所共催、里環境の会共催で、下記のようなシンポジウムを開催します。一般公開ですので、お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

環境倫理シンポジウム「“自然を愛する”とはどういうことか」

開催日

2011年9 月17 日(土) 13時〜18時

開催場所

大阪府立大学 学術交流会館 (C1棟)

http://www.osakafu-u.ac.jp/info/campus/nakamozu.html (ズームして確認)

概要

自然や生命に関する議論は、感情論に流されやすく、意見対立の原因となります。冷静な視点で、「自然を愛する」ということを考えてみませんか。
☆このような話題が出たらどう答えますか。
 ・シカ、サルは害獣として駆除すべきか、保護されるべきか。
 ・人も動物もいのちの価値は同じではないか。
 ・クジラは食べよう、希少なジュゴンは守ろう!
 ・人の役に立たないゴキブリやカは根絶させよう!

【講演内容とパネリスト紹介】
 
森岡正博
「自然環境に対する感情は保護に値するか」
私たちは自然環境や動植物の保護を多かれ少なかれ好ましく思っている。しかしその同じ私たちの多くが、牛や豚などの家畜を食べている。自然を愛するとは、生命を愛するとはどういうことか改めて考えてみたい。
大阪府立大学人間社会学部教授、現代生命哲学研究所所長。『無痛文明論』、『生命観を問い直す エコロジーから脳死まで』など著書多数。哲学を人々の生活と関連付けながら、わかりやすい言葉で語り続け、生命学という新たな分野を切り開いた。)

瀬戸口明久
「自然保護の歴史から考える環境倫理
「自然保護」とは何だろうか。歴史的に振り返って考えてみたい。「自然保護」は19 世紀後半に生まれた。でも過去の人々が守ろうとした「自然」は、現在の「自然保護」で大切にされるものとは違っていたようだ。さまざまな「自然保護」の事例を見ることで、守るべき「自然」とは何か考えてみたい。
大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。『害虫の誕生』の著書や外来種問題の歴史的経緯に関する諸論文で知られる。生物多様性に関する思想を様々な事例と比較検討して考察することで定評がある。)

福永真弓
「人と自然のかかわりの現場から捉える環境倫理」時に愛はやっかいだが、それでも魅力的で、人は思いもよらない問題の解決法をそこから見出すこともある。現場のフィールドワークで出会った、自然の「ありうべき」姿、「のぞましさ」を語る人びとの言葉をひもときながら、人びとと自然の〈あいだ〉、人 びとの〈あいだ〉について、そして「のぞましさ」、「よさ」ということそのものについて考えてみたい。
大阪府立大学21 世紀科学研究機構准教授。『多声性の環境倫理:サケが生まれ帰る流域の正統性のゆくえ』の著者であり、『環境倫理学』の編者。人と自然との関わりの現場で生きる人々の声を分析し、現場から環境倫理学の新たな枠組みをつくることを提唱している。)

常俊容子
(大阪自然環境保全協会・ナチュラリスト入門講座、NOB 里山委員会所属。主にシカと森林、人との軋轢の問題に関して様々な活動を企画・運営。大阪府シカ保護管理計画、イノシシ保護管理計画などのワイルドライフマネジメントにも関わっている。)

道下雄大
(大阪自然環境保全協会理事・環境倫理談話会担当、里環境の会ネットワークグループ代表、大阪大学総合学術博物館研究員。甲南大学文学部非常勤講師。専門は民族植物学で日本における人と自然との関わりを研究している。環境倫理談話会や里環境の会で対話中心型の勉強会を企画・運営している。)

*詳しいリーフレットはこちら
http://www.osakafu-u.ac.jp/data/open/cnt/40/4037/1/evt20110917.pdf