労働者の味方 マルクス(橋爪大三郎)

橋爪さんの新刊。例によって大づかみに本質を解説してくれる。マルクスの思想が生まれる前史から、日本のマルクス主義、現代の世界まで。橋爪さんは、マルクスがもし現代生きていたら「資本論2」を書くだろうと言う。

マルクスは、市場経済にあらためて注目し、その可能性をフルに使って、未来へのシナリオを構想するだろう、と私は思う。(160ページ)

マルクスは労働者の味方だから、世界正義を見据えて、きっとそうするだろうと橋爪さんは言う。そう考えると楽しいが、資本制の可能性に注目する前向きなマルクスというのはなかなか想像しにくいものである。