きみはなぜ生きているのか?

きみはなぜ生きているのか?

きみはなぜ生きているのか?

中島さんの新刊。15歳の少年への手紙の形で、哲学することを語るという形式。池田晶子さんの本よりも、『君たちはどう生きるか』のコペル君のほうに近い感じ。中島さんの本では、クライ君となっている。こういう体裁の本は、ほんとうに成功するのが難しいように思う。いま15歳に戻ることはできないけれど、もし戻ったとしたら、私はこの本を手にとっているだろうか。本気で哲学に足を突っ込んでいる少年はすでにハイデガーとか(分からないなりに)読んでいるような気がするし、哲学に関心ない少年はそもそも手を出さないようにも思うし。読者の反応が知りたいものである。いずれにせよ中島さんの問題設定そのものは、直球の哲学で、好感を持ちました。

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)