『シマシマ』に見る草食系男子

マンガ『シマシマ』に出てくる男子が草食系男子だという情報を聞き、さっそく読んでみた。

シマシマ(1) (モーニング KC)

シマシマ(1) (モーニング KC)

シマシマ(2) (モーニング KC)

シマシマ(2) (モーニング KC)

シマシマ(3) (モーニング KC)

シマシマ(3) (モーニング KC)

2008年に雑誌連載され、第1巻発売は2008年7月ということで、『草食系男子の恋愛学』とほぼ同時期に書店に並んだことになる。

これは女性客に「添い寝」サービスを提供する若い男子を描いたもので、いまの世相を背景にして、なかなか面白いマンガに仕上がっている。男子のサービスは添い寝、おしゃべりの相手、朝食作りなどに限られていて、性的サービスは行なわない。一緒に寝ても性的にならないというサービスをきちんとできるのだから、草食系である。

たしかに、このような需要は女性たちの側にあるような気がする。と同時に、この需要は男性側にもあるだろう。ただそれがいままで着目されていなかっただけだ。たとえば、超変態作、川端康成眠れる美女』を想起せよ。

眠れる美女 (新潮文庫)

眠れる美女 (新潮文庫)

そういえば、ガンジーも、似たようなことを・・・・。

川端も「添い寝」役は若い美女だった。『シマシマ』でも、草食系の若いイケメンばかりである。女性側から見れば、自分に性的に攻撃的になってくることもなく、若いイケメンと抱き合って寝れるというのは、そういうのが好きな女性にとっては、とても都合の良いサービスだろう。

たしかにこのマンガで描かれている男子たちは、草食系男子である。だが、この著者は全員をイケメンとして描いている。そこに女性著者の妄想がある。現実の草食系男子のほとんどはイケメンではないだろう(少なくとも私はそう思う。私の草食系男子の定義にはイケメンというのはないから)。このマンガで草食系男子を理解したり研究するのはとても良いことだとが、この点だけは脳裏に刻み込んでおくようにしたい。

ちなみに、本屋で隣に置いてあった『聖おにいさん』というマンガもついでに買ってみたが、こっちはくすぐり系のギャグマンガで、私の好みには合わなかった。商業的にはこっちのほうが売れてるみたいだけど。

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)