映画「闇の子供たち」の映画評を『朝日新聞』に書いた

朝日新聞』大阪版(7月31日)夕刊に、本日公開の日本映画「闇の子供たち」(坂本順治監督、江口洋介宮崎あおい妻夫木聡)の映画評を書いた。いろんな意味で見応えのある映画だと思うので、興味ある人で観ても大丈夫な方は観てみては。ただしデートでは行かないほうがよいと思う。

全文はこちら。

映画「闇の子供たち」が暴くもの − 日本人の重い自画像

森岡正博

 ああ、なんてずっしりと重い映画を観てしまったのだろうと、多くの人は感じるにちがいない。満員の試写室も、上映後はほとんど誰もしゃべっていなかった。・・・
http://www.lifestudies.org/jp/yamino.htm

映画公式サイト。
http://www.yami-kodomo.jp/

これから映画を観る人のために、内容については↑以上のことは書かないが、いちおう後日談。というか、新聞メディアでは書けなかったことを以下に。

まず、映画のどこかで桑田佳祐の歌が流れるのだが、これはぜったいにないほうがよいと思った。試写会で観たときはそうだったが、劇場公開版でもやっぱり使われているのだろうか? もしそうだとしても、海外に持って行くときには、削除してくれるとうれしい。これはあかんと思う。(わたしはいちおうサザンのファンですが)

あとは、臓器移植のエピソード。ここをもっと突っ込んでほしかった。シナリオ進行上、むずかしいか・・・。残念ではある。

撃ち合いのシーンは不要。カット。

性虐待のシーンについては、映画パンフに詳しいことが載っているので読むとよい。書かれている内容自体についての慎重な議論は必要である。制作者は批判覚悟だろうと思う。私自身全肯定はできない。性虐待被害者が観たら吐くかも。出演児童はほんとうにこれでよかったのか。表現の可能性と限界について議論すべき。