フッサールの現象学

フッサール 起源への哲学 (講談社選書メチエ)

フッサール 起源への哲学 (講談社選書メチエ)

斎藤慶典さんのこの本は、フッサールの考えていたことを理解する上で、なかなか役に立つ。だけでなく、斎藤さん自身の問題意識が織り交ぜられていて、単なる哲学解説書の枠を脱していると思う。斎藤さんは「現象する」ことへの根本的興味から現象学に接近していったようだが、その視点からのフッサール読解は読ませるものがある。

フッサールの解説書と思って読み始めたが、それを裏切る内容で、とてもよかった。みなさんにもお薦めしたい。あらためてフッサールは偉いなあと思ったし、今後の波及力もまだまだすごいものを秘めているなあ。