2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

トンデルの2011年論文について

チェルノブイリのときのスウェーデンの低線量被曝で発がん性が上昇したようだと結論したトンデルが、2011年に新しい論文を発表している。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21112071 (追記:これはチェルノブイリ影響地での調査ではない)アブストラ…

中西輝政の論説における「愛」

雑誌『Voice』9月号にて、保守派言論人の中西輝政京大教授が「"脱原発"総理の仮面を剥ぐ」という論説を書いているが、いまだに「右」対「左」の政治権力闘争としてしか現状を見れないそのスタンスに暗澹とする。また、次のような文章がある。これは同じく保…

「震災トラウマと復興ストレス」宮地尚子

震災トラウマと復興ストレス (岩波ブックレット)作者: 宮地尚子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/08/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 45回この商品を含むブログ (6件) を見る宮地尚子さんの新著。精神医学研究者で、医師で、ト…

「医療倫理学の基礎」G・ペルトナー

医療倫理学の基礎作者: ギュンターペルトナー,G¨unther P¨oltner,桝形公也出版社/メーカー: 時空出版発売日: 2011/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (2件) を見るウィーン大学の倫理学・美学・哲学教授である著者が、大陸哲…

「福島の原発事故をめぐって」山本義隆

福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと作者: 山本義隆出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/08/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 372回この商品を含むブログ (36件) を見る科学史研究者(と言うだけでいいのかどう…

原発と障害者

あるところで、id:mojimojiさんが次のように書いている。 原発に反対するのは、障害児が生まれるからではなく、汚染者が子どもたちから腕や足やその他身体の機能を勝手に奪い取るから、それが不正だからである。 これはなかなか新鮮な表現の仕方で、目を開か…

金井淑子「依存と自立の倫理:<女/母>の身体性から」

依存と自立の倫理―「女/母」(わたし)の身体性から作者: 金井淑子出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2011/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 61回この商品を含むブログ (7件) を見る2011年8月19日読書人掲載 社会状況の急激な変化にともな…

管啓次郎・野崎歓編『ろうそくの炎がささやく言葉』

ろうそくの炎がささやく言葉作者: 管啓次郎,野崎歓出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2011/08/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (7件) を見る311を受けて、ろうそくのもとで詩を朗読するというシチュエーションで、詩や短…

マイケル・サンデル「公共哲学」

公共哲学 政治における道徳を考える (ちくま学芸文庫)作者: マイケル・サンデル出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/06/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (25件) を見る2011年8月28日日経新聞掲載 公共哲学とは、私…

「ぐずぐず」の理由 鷲田清一

「ぐずぐず」の理由 (角川選書)作者: 鷲田清一出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版発売日: 2011/08/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (12件) を見る日本語のオノマトペについてのエッセイ集。「ぎりぎり」からはじまり、…